今回はアイキャッチのようなオペアンプについて、理想的な増幅器であれば
・入力インピーダンスZiは∞
・入力端子間の電圧は0[V]なので、+端子と-端子は短絡している
⇒イマジナリーショート
・出力インピーダンスZoは0
ということが参考書などで書かれていますが、その根拠が乏しく感じます。
勉強されている方の中には”なぜこうなるの?”と思われている方も多いのではないでしょうか?
このなぜについて、私なりに考えてみました。
それでは、いってみましょう。
Zi=∞の考え方
図をみてください。Ziが反転-非反転入力間に接続されています。

Vi[V]:入力電圧、Vzi[V]:Ziにかかる電圧、Z[Ω]:外部抵抗
Vzi=V*Zi/(Zi+Z)
になります。
さて、Vziにかかる電圧を限りなく入力電圧Viに近づけるためには入力インピーダンスをどうすればよいでしょうか?
右辺の分母、分子をZiで割ります。
$$ Vzi=V/(1+(Z/Zi)) $$
Zi=∞であれば、Z/Zi=0になるため
Vzi=Viになります。
つまりZi=∞にすれば、入力電圧をそのまま入力インピーダンスにかけることができるのです。
イマジナリーショートになる考え方
図を見てください。

これを考えるためには、電圧増幅度Aを用います。
この電圧増幅度は次のように表すことができます。
A=Vo/Vi (Vo[V]:出力電圧,Vi[V]:入力間端子電圧)
理想的な増幅器=少しの入力電圧をかけると、ものすごく大きな出力電圧を取り出せることです。
つまり、電圧増幅度=∞ということになります。
この式を変形します。
Vi = Vo / A
A=∞なので、Vi=0となります。
Vi=0ということは入力間端子電圧=0Vです。
つまり、入力間端子は短絡状態であることを意味します。
図に示すとこんな感じです。

これをイマジナリーショートとよんでいます。
Zo=0の考え方
図を見てください。

AVi[V]:入力電圧*電圧増幅度,Zo[Ω]:出力インピーダンス,Vout:オペアンプからの出力電圧,I[A]:電流
回路方程式より、AVi = Vout + ZoI
さて、Voutを限りなくAViの電圧として取り出すためにはZoをどうすればよいでしょうか?
Zo=0であれば、AVi = Vout となります。
つまり、Zo=0[Ω]とすることで増幅された電圧をそのまま出力電圧として取り出せるのです。
今回はここまでです、毎度ありがとうございます。