機械

誘導電動機の速度制御方法:1次電圧制御について説明します(機械)

ノリユキ
ノリユキ
いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす

誘導電動機の速度制御方法の一つとして1次電圧制御というのがあります。

今回はこの制御をすることでどのように速度制御しているのかを説明します。

それでは、いってみましょう。

トルクの式を使います

早速トルクの式をもってきました。

T=Pm/ω=3*r2*E^2/{ω0*s((r1+r2/s)^2+(x1+x2)^2))}

この式の導出についてはこの記事を参照下さい。

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この式からトルクは1次電圧E[V]の2乗に比例していることがわかります。

よって、1次電圧を小さくするとトルクが小さくなります。

図を使って確認してみましょう。

1次電圧を小さくすることでトルク-すべり特性のグラフが下にシフトしているのがわかりますか!?

1次電圧を小さくすることでトルクが小さくなることがわかります。

次にこの誘導モータに負荷をつけてみましょう。

図を見てください。誘導モータと負荷のトルク-すべり特性を載せています。

お互いが交わったところが動作点となります。

誘導モータの電圧を小さくしていくと動作点が左側に移動しているのがわかりますか!?

左側に移動しているということはすべりが1に近づいているということです。

これは速度が小さくなっていることを意味します。

このように1次電圧を制御することで、速度を制御しています。

注意点

ここで一点注意点があります。

先ほどのように電圧をどんどん下げていくとすべりが1に近づいていきます。

滑りが1に近づくと、2次銅損が大きくなります。

参考書ではPcu=sPinと書かれていますね。

Pin[W]:入力,Pcu:2次銅損

この式からsが大きくなると2次銅損が大きくなることがわかります。

2次銅損が大きくなるため、効率が悪くなります。

本日はここまでです、毎度ありがとうございます。