機械

Y-Δ始動させることで始動電流,始動トルクをΔ時の1/3にできる理由(機械)

ノリユキ
ノリユキ
いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす

誘導電動機の始動方法の一つにY-Δ始動というのがあります。

今回はY-Δ始動により始動電流、始動トルクがΔ時の1/3になる理由について説明します。

それでは、いってみましょう。

考え方

Y接続とΔ接続の2つに分けて負荷にかかる電圧、電流、トルクを考えていきます。

Y接続

Y接続は図のようになります。

Z[Ω]:負荷,V[V]:線間電圧,Iy:Y接続時の線電流

この回路の等価回路は図のようになります。

回路方程式は

V/√3=Z*Iy

Zにかかる電圧はV/√3です。

Iy=V/(Z*√3)・・・①

になります。

Δ接続

Δ接続は図のようになります。

Z[Ω]:負荷,V[V]:線間電圧,IΔ:Δ接続時の線電流

この図からZにかかる電圧はV[V]になります。

よって、Y接続はΔ接続に比べて電圧を1/√3にすることができます。

トルクは電圧の2乗に比例するため、Y接続はΔ接続に比べてトルクを1/3にすることができます。

この回路の等価回路は図のようになります。

(理論)Y回路⇔Δ回路に変換する公式の求め方 Y回路⇔Δ回路に変換する公式、みなさんもよく使っているのではないでしょうか? 第3種電気主任技術者の問題にもちょくちょくで...

回路方程式は

V/√3=(Z/3)*IΔ

IΔ=√3V/Z・・・②

①式/②式をすると

①/②=V/(Z*√3)/(√3V/Z)=1/3

この結果、Y接続はΔ接続に比べ電流を1/3に低減することができます。

このような理由からY-Δ始動は始動電流を抑えることができます。

本日はここまでです、毎度ありがとうございます。