理論

(理論)Y回路⇔Δ回路に変換する公式の求め方

ノリユキ
ノリユキ
いらっしゃーい。電気主任技術者なぜなぜシリーズはじめまーす!

Y回路⇔Δ回路に変換する公式、みなさんもよく使っているのではないでしょうか?

第3種電気主任技術者の問題にもちょくちょくでてきます。

今回はこの公式を求めてみました。

特にY⇒Δに変換する方法は参考書には載せていないと思いますので是非みてください。

それでは、いってみましょう。

問題

アイキャッチの図をもう一度

Y⇒Δ、Δ⇒Yに変換したときの抵抗を求めてみましょう。

考え方

①Δ⇒Y変換からやります

Y回路、Δ回路のa-b間,b-c間,c-a間の合成抵抗を求める

Y回路について、各区間の合成抵抗を求めます。

a-b間のからみた抵抗は図のようになります。

よってa-b間の合成抵抗は

a-b間:R1+R2

同様にb-c,c-a間の合成抵抗は

b-c間:R2+R3

c-a間:R3+R1

になります。

続いてΔ回路について、各区間の合成抵抗を求めます。

a-b間の抵抗は図のようになります。

この合成抵抗を求めると

a-b間:(r1*r2+r3*r1)/(r1+r2+r3)

同様にb-c,c-a間の合成抵抗は

b-c間:(r1*r2+r2*r3)/(r1+r2+r3)

c-a間:(r3*r1+r2*r3)/(r1+r2+r3)

Y回路、Δ回路の各区間の合成抵抗は等しいので

a-b間:R1+R2=(r1*r2+r3*r1)/(r1+r2+r3)・・・①

b-c間:R2+R3=(r1*r2+r2*r3)/(r1+r2+r3)・・・②

c-a間:R3+R1=(r3*r1+r2*r3)/(r1+r2+r3)・・・③

①~③式を使ってR1,R2,R3について解くと、

R1=r3*r1/(r1+r2+r3)・・・④

R2=r1*r2/(r1+r2+r3)・・・⑤

R3=r2*r3/(r1+r2+r3)・・・⑥

これでΔ⇒Y変換したときの抵抗を求めることができました。

②Y⇒Δ変換

④~⑥式を使ってr1,r2,r3を求めるのですが、”どうやればいいんだ!”という感じですよね。

④から⑥式に共通してあるr1+r2+r3に注目しました。

r1+r2+r3を消しましょう

これを消すために、④/⑤,⑤/⑥,⑥/④をします。

④/⑤=R1/R2=r3/r2  ⇒  r3=r2*R1/R2・・・⑦

⑤/⑥=R2/R3=r1/r3  ⇒  r1=r3*R2/R3・・・⑧

⑥/④=R3./R1=r2/r1   ⇒  r2=r1*R3/R1・・・⑨

ここまで来たらあとは簡単です。

⑦~⑨式を④~⑥式のどれか一つの式に代入して式をさらに整理します。具体的にやってみます。

今回は④式を使ってみます。④式に⑦、⑨式を代入してr2,r3を消し、r1とR1,R2,R3を使った式にします。

R1=(R3/R2*r1*r1)/(r1+R3/R1*r1+R1/R2*r1)

こんな感じです。r2,r3を消すことができました。あとはこの式を整理すれば、

r1=(R1*R2+R2*R3+R3*R1)/R3

同様に④式から⑦、⑧式を使ってr1,r3を消し、r2とR1,R2,R3を使った式にします。

r2=(R1*R2+R2*R3+R3*R1)/R1

同様に④式から⑧、⑨式を使ってr1,r2を消し、r3とR1,R2,R3を使った式にします。

r3=(R1*R2+R2*R3+R3*R1)/R2

このようにしてY⇒Δ変換したときの抵抗を求めることができました。

もちろん⑤式でも⑥式でも公式を導きだすことが可能です。

導きだすのが大変でしたね。。。これは覚えたほうがいいかも。。

今回はここまでです、毎度ありがとうございました。