光度の公式の中に立体角というものがあります。
立体角の公式はω=2π(1-cosθ)と言われていますが、どのような根拠からでてきているのか参考書にはのっていないと思います。
今回はこの公式を導いてみました。
第3種電気主任技術者の試験では使わない積分というものを使うため、”こんなふうにしてこの式はできているのか”という感じでこの記事をみていただけると幸いです。
それでは、いってみましょう。
立体角の定義式
単位は[sr](ステラジアン)です。
1srは球の半径の2乗に等しい面積をもつ球面上の面分が球の中心に対してつくる立体角としています。
よって、球面上の表面積がSのときの立体角ω[sr]は
ω=S/R^2・・・①
S[m^2]:球面の表面積、R[m]:半径

ということになります。
今回の公式を導出するポイントは球の表面積S[m^2]を求めることです。
考え方
この定義式からどのようにしてω=2π(1-cosθ)が出てくるのかを説明します。
先ほどの図を正面から2次元的に見るとこんな感じです。

θ[rad]:なす角
これを図の赤枠部分のようにスライスしていきます。

このスライスした表面積⊿Sを求めてみましょう。
縦がR⊿θ,横が2πRsinθになるので、
⊿S=2πRsinθ*R⊿θ=2πR^2sinθ⊿θ
になります。
縦がR⊿θになる理由については、こちらの記事を参照ください。

同様に球状の上の部分についても図のようにスライスしていきます。

このスライスした微小面積を全て足し合わせたものが求めたい表面積Sとなります。
これを求めるために積分というものを用います。
積分を使って表面積Sを求めていきます。0からθまで積分したものがSになるので、
$$ \int_0^θ 2πR^2sinθdθ=2πR^2[-cosθ] $$
$$ =2πR^2[-cosθ-(-1)]=2πR^2(1-cosθ) $$
立体角の定義式である①式にこの結果を代入すると
$$ ω=S/R^2=2π(1-cosθ) $$
となり、立体角の公式を求めることができました。
本日はここまでです。毎度ありがとうございます。