かご型誘導モータの回転原理について、参考書でも言葉を用いた説明はあります。
しかし、図を使った説明があまりなかったため、第3種電気主任技術者勉強時の私はイマイチ理解ができませんでした。
今回は図を使って回転子が回転する仕組みを記事にしてみました。
この記事を読んで、回転子が回転するイメージを少しでもつかんでいただけるとうれしいです。
それではいってみましょう。
回転原理(言葉編)
かご型誘導モータの回転原理を言葉にすると、、
①固定子に3相交流を与える→固定子に回転磁界が発生する
②かごの導体部から回転磁界を見たときに、回転磁界の磁束の変化を妨げる向きに、導体に誘導電流が流れる
③誘導電流と固定子に発生している磁界により、かご型の導体部にフレミング左手の法則による力が発生する
④この力により、かご型回転子は回転磁界の向きに回転する
こんな感じです。
それでは、図を使って言葉との整合をはかっていきます。
回転原理(図解編)
図を使って回転原理を説明していきます。

固定子はだいぶ手を抜いて書いております。申し訳ございません。。。
ただ、回転子が回転するイメージをつかるためにはこれで十分だと私は考えます。
①固定子に3相交流を与える→固定子に回転磁界が発生する
図で説明するとこんな感じになります。

磁界はN極からS極に向けて発生するので緑色の矢印のようになります。
固定子に3相交流を与えることでN-S極が黄色い矢印の向きに回転するとします。
これを上からみるとこんな感じになります。

②かごの導体部から回転磁界を見たときに、回転磁界の磁束の変化を妨げる向きに、導体に誘導電流が流れる
かご型の右側の導体に注目ください。

N-S極が青い矢印の向きに回転します。(図の①)
導体から見ると下の磁界は増え、上の磁界は減るように見えます(図の②)
この磁束の変化を妨げる向きに誘導電流が導体に流れます(図の③)
誘導電流による磁界は黄色い矢印の向きに発生しています(図の③)
この誘導電流は、かご型誘導モータを正面からみるとこんな感じです。

上向きに誘導電流が導体をながれます。
③誘導電流と固定子に発生している磁界により、かご型の導体部にフレミング左手の法則による力が発生する
モータを真上からみて考えます。
誘導電流と固定子に発生している磁界に対して、フレミング左手の法則を使ってみましょう。
そうすると図の矢印の向きに力が発生することになります。

これをS極側の導体に対してもやってみると、、、図のように上の力が働くことになります。

(S極側の力がなぜ上を向くのかは、調べてみてください。N極側がイメージできればできます!)
④この力により、かご型回転子は回転磁界の向きに回転する
図をみてください。モータを正面からみた図です。

固定子の回転磁界とかご型回転子の力の向きが同じですね!
回転磁界に引きづられるように回転子が回転しているイメージです。
このようにしてかご型誘導モータは回転しているわけです。
本日はここまでです、毎度ありがとうございました。