face=”180度前後開脚.jpg” name=”ノリユキ” align=”left” border=”blue” bg=”blue”]いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす。[/chat]
直流電圧(DC)を交流電圧(AC)に変換する方法をいくつか紹介しております。
前回は3相電圧形フルブリッジインバータ(180度通電)の電圧波形について記事にしました。
今回は3相電圧形フルブリッジインバータなのですが、通電が180度ではなく、120度になります。
120度通電にしたときの3相電圧形インバータがつくる電圧波形/負荷にかかる電圧を回路図をみながら作ります。
恐らくDC⇒ACに電圧を変形する方法の紹介はこれが最後?になると思います。
それでは、いってみましょう。
3相フルブリッジインバータの回路図
前回の記事と同じです。図示します。
Q1~6:IGBT,D1~D6:ダイオード,E[V]:電源電圧,Vuv,Vuw,Vwu[V]:線間電圧,Vuo[V]:U-O相にかかる電圧,Vvo[V]:V-O相にかかる電圧,Vwo[V]:W-O相にかかる電圧,Z[Ω]:負荷のインピーダンス
120度通電はどのように作ればよいのか?
前回の180度通電時の各スイッチのon/on状態を示します。
Q1,Q2をアーム1,Q3,Q4をアーム2,Q5,Q6をアーム3としています。
180度通電モードのon期間中の右側60度分をなくした状態が120度通電モードです。
図に示すとこの状態が120度通電モードになります。
180度通電モードのときはQ1~Q6までのスイッチのうち3つがon状態でした。
120度通電モードのときはQ1~Q6までのスイッチのうち2つがon状態になります。
この違いがインバータから出力される電圧、負荷電圧にどのような影響がでるのかみていきます。
3相電圧形インバータがつくる電圧波形/負荷電圧
図のスイッチの状態から6通りのスイッチon状態を見ていけば、インバータがつくる電圧波形、負荷電圧波形を求めることができます。
この記事では最初の1通りのみ説明します。
残りの5通りについても解き方は同じであるため説明を省略させていただきます。
それではQ1,Q4:onのときのインバータがつくる電圧、負荷電圧を求めます。
Q1,Q4:onの状態は図の赤枠部分のときになります。
導通状態を図示します。
図よりVwoには電圧がかからないため、Vwo=0になります。
また、図よりVuv=Eになります。
回路方程式より
Vuv=Vuo+Vov=E、Vuo=Vov・・・①となります。
①よりI=E/2Z⇒Vuo=Z*I=E/2,Vov=E/2⇒Vvo=-E/2となりました。
Vvw,Vwuについても解いていきます。
Vvw=Vvo-Vwo=-E/2-0=-E/2
Vwu=Vwo-Vuo=0-E/2=-E/2
となり求めることができました。
それ以外の区間についても上と同じやり方で求めることができます。
以上の結果より、スイッチの状態と線間電圧波形と並行して負荷の電圧波形も図示します。
インバータからの電圧波形はより正弦波に近い波形になることがわかります。
本日はここまでです、毎度ありがとうございます。