face=”180度前後開脚.jpg” name=”ノリユキ” align=”left” border=”blue” bg=”blue”]いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす。[/chat]
直流電圧(DC)を交流電圧(AC)に変換する方法についていくつか紹介しております。
前回は単相電圧形フルブリッジインバータ(位相シフトあり)の電圧波形について記事にしました。
今回は単相ではなく、3相電圧形インバータになります。
今回は3相電圧形インバータがつくる電圧波形/負荷にかかる電圧を回路図をみながら作ります。
それでは、いってみましょう。
3相電圧形インバータの回路図とスイッチの状態
アイキャッチ同様、このような回路になります。
Q1~6:IGBT,D1~D6:ダイオード,E[V]:電源電圧,Vuv,Vuw,Vwu[V]:線間電圧,Vuo[V]:U-O相にかかる電圧,Vvo[V]:V-O相にかかる電圧,Vwo[V]:W-O相にかかる電圧,Z[Ω]:負荷のインピーダンス
Q1,Q2をアーム1,Q3,Q4をアーム2,Q5,Q6をアーム3とします。
180度通電によるスイッチのon/off状態は図のようになります。
アーム2のon/offはアーム1に対して左側に60度ずらします。
アーム3のon/offはアーム2に対して左側に60度ずらします。
3相電圧形インバータがつくる電圧波形
先ほどのスイッチ状態からVuv,Vvw,Vwuの一周期分の電圧波形を作ります。
この記事ではVuvの一周期分の電圧波形を作ります。
それ以外のVvw,Vwuの電圧波形のつくり方はVuvのそれと同じであるため詳細なつくり方の説明は省略させてください。
Vuvの電圧が出力される条件はQ1(アーム1)とQ4(アーム2)がonになったとき、またはQ2(アーム1)とQ3(アーム2)がonになったときです。
Q1とQ4がonになったときは、Vuv=Eになります。導通状態は図のようになります。
Q2とQ3がonになったときは、Vuv=-Eになります。導通状態は図のようになります。
これら以外の条件のときは、Vuv=0になります。
この証明については下のほうに負荷電圧Vuo,Vvoを求めています。Vuv=Vuo-Vvoから計算すると0Vになります。
Vuvをスイッチの状態と並行して出力すると図のようになります。
Vvw,VwuについてもVuvのやり方と同様にやると波形はこのようになります。
これで3相インバータからの電圧波形をつくることができました。
負荷にかかる電圧波形をつくる
最後に負荷にかかる電圧Vuo,Vvo,Vwoを求めます。
最初に0<θ<2π/3のときのVuo,Vvo,Vwoの電圧を求めていきます。
0<θ<2π/3はこの状態のときです。
つまりQ1,Q4,Q5がonのときになります。回路図に示します。
導通部分のみに図をフォーカスするとこのようになります。
図からVuo=Vwoということがわかります。
回路方程式より
I=E/(3Z/2)=2E/3Z
よって0<θ<2π/3のときのVuo,Vvo,Vwoは
Vuo=Vwo=Z/2*I=E/3
Vov=Z*I=2E/3⇒Vvo=-2E/3
と導くことができました。
それ以外の区間についても上と同じやり方で求めることができます。
以上の結果より、スイッチの状態と線間電圧波形と並行して負荷の電圧波形も図示します。
負荷の電圧波形はより正弦波に近い波形であることがわかります。
本日はここまでです、毎度ありがとうございます。