機械

昇降圧チョッパの出力側の電圧を求めました(機械)

ノリユキ
ノリユキ
いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす。

参考書には昇圧チョッパ、降圧チョッパ回路をみることがありますが、昇降圧チョッパ回路をみることはあまりないように思えます。

今回はこの昇降圧チョッパ回路の出力側の電圧を求めます。

それでは、いってみましょう。

回路図

回路図です。

E[V]:電源電圧,V[V]:出力電圧,Tr:トランジスタ(スイッチ),I[A]:回路を流れる電流

リアクトルのインダクタンスは非常に大きいため、回路に流れる電流は連続していると考えます。

平滑リアクトルの値が大きい⇒電流一定の理由(機械) 機械編第一弾ということもあり、最初は比較的簡単な案件を記事にしました。 パワーデバイスの分野で平滑リアクトルという単語をよ...

考え方

このような流れでやります。

トランジスタ=on時の電流の流れを考える

トランジスタ=off時の電流の流れを考える

(リアクトルに与えられたエネルギー)=(リアクトルから放出されたエネルギー)として出力電圧を求める

トランジスタ=on時の電流の流れを考える

このときの電流の流れは図のようになります。

ダイオードには逆バイアスがかかっているため、出力側には電流は流れません。

リアクトルは電源からエネルギーをもらっている感じです。

トランジスタがonしている間(Ton)に、リアクトルが電源からもらえるエネルギーW1[J]は

W1=E*I*Ton[J]・・・①

となります。

トランジスタ=off時の電流の流れを考える

このときの電流の流れは図のようになります。

これはtr:onの時にリアクトルに蓄えたエネルギーを出力側に放出している感じです。

トランジスタがoffしている間(Toff)に、リアクトルが出力側に放出しているエネルギーW2[J]は

W2=V*I*Toff[J]・・・①

となります。

(リアクトルに与えられたエネルギー)=(リアクトルから放出されたエネルギー)として出力電圧を求める

①式=②式になります。

E*I*Ton=V*I*Toff

V=Ton/Toff*E

Ts=Ton+Toff、α=Ton/Tsとすると、Ts[s]:(周期),α:通流率

V=E*Ton/(Ts-Ton)=E*α/(1-α)・・・③

となり出力電圧を求めることができました。

降圧するための条件

V<Eということになります。

V-E<0となるようなαの条件は③式を使うと

V-E=E{α/(1-α)-1}<0

E>0,0<α<1より0<1-α<1なので,両辺を(1-α)でかけると

α-(1-α)<0⇒α<1/2

よって0<α<1/2の範囲であれば出力電圧を降圧させることができます。

昇圧するための条件

V>Eということになります。

これを降圧時と同様にして解くと、α>1/2となります。

1/2<α<1の範囲であれば出力電圧を昇圧させることができます。

本日はここまでです、毎度ありがとうございます。