いらっしゃーい。ノリユキです。いつもこのブログをみていただきありがとうございます。
電験なぜなぜシリーズ第一弾ということもあり今回は基本中の基本であるオームの法則とキルヒホッフの法則について説明し、それを使って直流回路の問題を解いていきます。
それでは、いってみましょう。
オームの法則
V=RI
(V[V]:電圧、R[Ω]:抵抗、I[A]:電流)
これは実験式です。公式ではありませんので覚えてください。
これを知らないと今後苦労します。
キルヒホッフの法則
第1法則と第2法則がありますが、名前は重要ではありません。
第1法則は電流に関すること
第2法則は電圧に関することになります。
それではどのようなものなのかを理解していきましょう。
第1法則
接続点において、”流入する電流の和”=”流出する電流の和”というものです。
図で示すとこんな感じです
この図を式で表すと
I1+I2+I3=I4+I5
“流入する電流の和”=”流出する電流の和”という形になります。
これを満たさないとどこかで電流が漏れていることになります。
第2法則
電気回路の任意の一回りの閉じた経路について、電圧の和は0であるというものです。
これを図等を使って説明していきます。
回路図は下図を用意しました。
電流の向き(赤矢印)ですが、電源の電圧E1,E2の大きさがわからないためこの向きに流れると仮定しました。
あとは電圧の向きです。
私の場合、電界の向きから電圧の向きを決めるようにしています。
電界とは+1[C]の電荷を置いたときに、その電荷に働く力のことです。
この電荷を電源の”+極”と”-極”の間においてみましょう。図でいうとこの部分です。
電界の向きの考え方は2つの磁石を近づけたときに、磁石に働く力の向きの考え方と同じです。
ケース1:同じもの同士を近づけたとき(N極同士またはS曲同士)
⇒反発力が発生します。
ケース2:違うもの通しを近づけたとき(N極とs極を近づける)
⇒斥力が発生します。
先ほどの電源に電荷を置いた図に戻ります。
先ほどの磁石の考えで判断すると図の向きに電界が発生します。
このようにして電気回路の図に矢印を書いていくと、
これで矢印の入力は完成です。
“電気回路の任意の一回りの閉じた経路について、電圧の和は0″を適用すると、
E1-E2-RI=0 となります。式を変形すると
E1=E2+RI
つまり”青い矢印の合計”=”赤い矢印の合計”
となるのがわかるでしょう。
問題
それではこれらの知識を使って問題を解いていきましょう。
①直流回路のV1,V2,合成抵抗Rを求める
まず回路を流れる電流をIとして問題を考えていきます。
抵抗R1についてオームの法則からV1=R1 x I・・・①
抵抗R1についても同様にV2=R2 x I・・・②
となります。キルヒホッフの第2法則を使うと
V=V1+V2になるのでV=R1I+R2I=(R1+R2)I
合成抵抗R=V/I=R1+R2となります。式を変形して
I=V/(R1+R2)・・・③
③を①、②に代入するとV1,V2は
V1=V * R1/(R1+R2)
V2=V * R2/(R1+R2)
と求めることができます。この式は電圧の分圧式でよく見る式です。
②並列回路のI1,I2,合成抵抗Rを求める
電源に流れる電流をIと仮定します。
キルヒホッフの第1法則よりI=I1+I2・・・④となります。
R1,R2のそれぞれに対してキルヒホッフの第2法則を使うと、
V=R1I1⇒I1=V/R1・・・⑤
V=R2I2⇒I2=V/R2・・・⑥
④に⑤、⑥を代入すると
I=V/R=V(1/R1+1/R2)・・・⑦ この式をVで割ると
1/R=1/R1+1/R2
となり並列回路の合成抵抗を求めることができます
⑦式を変形するとV=I/{1/(1/R1+1/R2)} ⇒ V=I*R1R2/(R1+R2)・・・⑧
⑧を⑤、⑥にそれぞれ代入すると
I1=I*R2/(R1+R2)
I2=I*R1/(R1+R2)
これは電流の分流式と言われている式です。
問題を通して言いたいこと
オームの法則、キルヒホッフの法則を使えば、
電圧の分圧式、電流の分流式、合成抵抗の式を自分で求めることができます。
つまり公式を覚える必要がないということです。
今回はここまでです、毎度ありがとうございました。