電力の勉強をしているとこの”可変速揚水発電システム”という言葉をみたことがあると思います。
このシステムを使うと
揚水AFC(自動周波数調整)が可能
安定度が向上する
などと書かれていますが、正直、”何言ってんだ??”という感じだと思います。
私の場合、第3種電気主任技術者の勉強時は捨てていました。。。
今回は“可変速揚水発電システムがなぜ必要なのか”について記事を書きます。
可変速揚水発電システムにする前はどのような問題があったのかを把握しておくことが可変速揚水発電システムを理解するための大きな一歩になります。
それでは、いってみましょう。
揚水発電とは?
参考書などに説明があるため、簡単に説明します。
夜などのあまり電力を使用しないときは、水をポンプを使って上部の池に蓄えておきます。
昼などの電力をたくさん必要としているときに、上部の池に貯めた水を水車を使って発電します。
このようなことができるのが揚水発電です。
従来の揚水発電のデメリット
可変速揚水発電システムの説明をする前に、これを導入する前の揚水発電のデメリットを説明します。
従来の揚水発電はポンプの回転速度を変えることができませんでした。
そのため、水を汲み上げる量(揚水量)も一定でした。
揚水量が一定のため揚水時の電力も一定でした。
この理屈は入力電力の公式(P=9.8*Q*H/η)から理解できると思います。
電力が一定の変化しかできないため、負荷の変化に応じた電力の微調整ができません。
従来の揚水発電のデメリットをまとめると、
ポンプの回転速度を変更できないので、負荷の変化に応じた電力の微調整ができない。
ということになります。
可変速揚水発電システム
可変速揚水発電システムはこの従来の揚水発電のデメリットを解消したシステムです。
ポンプ側の回転子に周波数変換装置をつけることで、ポンプの回転数を可変速にすることができます。
回転数を変化させることができるので、揚水量も変化させることができます。
揚水量を可変にさせることができるので、揚水時の電力を微調整することができます。
可変速揚水発電システムのメリットは
ポンプの回転数を変化させることで、負荷の変化に応じた電力の微調整ができることです。
従来の揚水発電と比較させることで、可変速揚水発電システムがどのようなものなのか分かってきたのではないでしょうか?
最後に可変速揚水発電システムの冒頭にあげたメリットについての説明です。
“揚水時の回転数を変化させる”=”周波数を変化させる”これが揚水AFC(自動周波数調整)の意味です。
“負荷の変化に応じた電力の微調整ができる”ということが安定度が良いという意味です。
本日はここまでです、毎度ありがとうございます。