電力

Δv=xΔqを導出してみました(電力)

face=”180度前後開脚.jpg” name=”ノリユキ” align=”left” border=”blue” bg=”blue”]いらっしゃーい。第3種電気主任技術者(機械)のなぜなぜシリーズはじめまーす。[/chat]

今回のテーマは電験3種というよりは2種向きの内容になります。

2次試験の計算問題などで”Δv=xΔqを使って求めなさい”などと言われて使っているこの公式ですが、

どのような根拠でこの式が出てきたのか参考書にも説明がないように思えます。

今回はこの式の導出過程を記事にすることにしました。

それでは、いってみましょう。

導出方法

改めて公式をもう一度示します。

Δv=xΔq

Δv:電圧変化量(p.u.),x:送電線のインダクタンス(p.u.),Δq:無効電力(p.u.)

p.u.というのは単位法です。

参考書でも記載があるためここでの説明は割愛させていただきます。

それでは説明にはいります。送電線の電圧降下の式(簡略版)はこのように表すことができました。

ΔV≒√3RIcosθ+√3XIsinθ=RP/V+XQ/V・・・①

ΔV[V]:電圧変化量。 R,X[Ω]送電線の抵抗,インダクタンス。 V[V]:受電端電圧(線間電圧)。P[W]:有効電力、Q[Var]:無効電力。

簡略版の式は虚数部分の値が実数部分の値より非常に小さい場合、虚数部分の値を無視した式です。

送電線の抵抗は基本的にX>>Rであるため①式のRの項を無視すると

ΔV≒XQ/V・・・②

②式から電圧降下を補償するのは有効電力よりも無効電力の方が効果が高いということがわかります。

両辺をVで割ります。

ΔV/V=XQ/V^2

X=xV^2/W(x:%インピーダンス[p.u]、W[VA]:基準容量)を②式に代入します。

ΔV/V=xV^2/V^2*Q/W=x*Q/W・・・③

Δv[p.u.]=ΔV/V,Δq[p.u]=Q/Wより、これらを③式に代入すると

Δv=xΔq

となり式を導出することができました。

まとめ

Δv=xΔqを適用するためには、

送電線の電圧降下の簡略版の式ΔV≒√3RIcosθ+√3XIsinθ=RP/V+XQ/Vが使えて

かつ

抵抗がX≫Rのとき

の場合に限られるということになります。

本日はここまでです、毎度ありがとうございます。