同期発電機の界磁電流-電機子電流特性はアイキャッチの図のようなV曲線になると参考書にはかかれています。
しかし、その理由については説明がないように思えます。
今回は私なりにそのようになる理由を図を使って説明します。
それでは、いってみましょう。
電機子電流と受電端側の相電圧が同位相(cosθ=1)のときのベクトル図
こんな感じになります。

Es,Er[V]:送電端、受電端の相電圧、Ia:電気子電流,δ[rad]:送電端-受電端の相差角、X[Ω]:同期リアクタンス
これを基準にして、界磁電流の大きさを変えていきます
界磁電流Ifを小さくしていったときのベクトル図
界磁電流を小さくしていくと発電機の誘導起電力Esは小さくなります。
また受電端側の端子電圧(Er)、出力(P)を一定に保つようにするために、
P=3EsErsinδ/Xより

Essinδ=PX/3Er=一定
またP=3ErIacosθより
θ[rad]:受電端電圧と電機子電流のなす角
Iacosθ=P/(3Er)=一定
これはIaの有効電流成分Iacosθは界磁電流を変化させても一定であることを意味します。
これらの条件
界磁電流を小さくしていくと発電機の誘導起電力Esは小さくなる
Essinδ=一定
Iacosθ=一定
を満たすように界磁電流を小さくしていくと図のようにベクトル図が変化します。

この図から界磁電流Ifを小さくすると
jXIaは大きくなる。⇒Xは一定のため、Iaが大きくなる
電機子電流は受電端電圧より、より進みになる
ということが分かります
界磁電流を小さくした場合の電機子電流のグラフは図のようになります。

界磁電流Ifを大きくしていったときのベクトル図
界磁電流を大きくしていくと発電機の誘導起電力Esは大きくなります。
先ほどと同様に、受電端側の端子電圧、出力を一定に保つようにするために、界磁電流を大きくしても
Essinδ=一定
Iacosθ=一定
になります。
これらの条件を満たすように界磁電流を大きくしていくと図のようにベクトル図が変化します。

この図から界磁電流Ifを大きくすると
jXIaは大きくなる。⇒Xは一定のため、Iaが大きくなる
電機子電流Iaは受電端電圧よりも、より遅れになる
ということが分かります
界磁電流を小さくした場合の電機子電流のグラフは図のようになります。

遅れ側と進み側を合わせるとアイキャッチと同じ図が出来上がります。

以上より、電機子電流と界磁電流の特性がV曲線になることがわかりました。
本日はここまでです、毎度ありがとうございます。