前回はサイリスタを使った単相半波整流回路の負荷にかかる電圧、電流について記事をかきましたが、今回は単相ブリッジ整流回路になります。
負荷は抵抗になります。1記事に抵抗の場合とコイルの場合と書きたかったのですが、2000文字以上の長文になるため分けさせてください。
それでは、いってみましょう。
サイリスタとは
こちらの記事を参照下さい。
単相ブリッジ整流回路
回路図はこのようになります。
v[V]:電源の印加電圧,vd[V]:出力電圧,I[A]:電流
電源の印加電圧の波形を示します。
電圧が0以上のときの向きを順電圧の向きとします。
それでは負荷が抵抗のときの負荷に加わる電圧、電流についておさえていきます。
負荷が抵抗負荷のとき
ダイオードがない場合の負荷にかかる電圧波形と電流波形はこのようになります。
負荷が抵抗負荷なので電流と電圧の位相は同じです。
1周期の間に各サイリスタがどのように動作するのかおさえておきましょう。
サイリスタがonする条件は、上記の電流、電圧波形より
電圧>0かつ電流>0のとき⇒0<θ<πのとき(th1,th4が動作)、
電圧<0かつ電流<0のとき⇒π<θ<2πのとき(th2,th3が動作)
この期間がサイリスタに信号を与える条件になります。
サイリスタth1,th4に与える信号αをπ/4[rad]
サイリスタth2,th3に与える信号αを(π+π/4)[rad]
としたときの負荷にかかる電流、電圧波形をみていきましょう。
電源電圧の周期が0<θ<πのとき
0<θ<π/4のとき
このときの電源の電圧、電流はプラスです。よってサイリスタの動作候補はth1,th4になります。
しかしサイリスタのゲートに信号がはいっていないため、サイリスタは動作しません。
よって、負荷にかかる電流、電圧ともに0です。
π/4<θ<πのとき
α=π/4のときにサイリスタにゲート信号がはいります。それによりth1とth4がonします。電流が回路の向きに流れるようになります。
電源電圧の周期がπ<θ<2πのとき
π<θ<(π+π/4)のとき
θ=πのときに電源の電流が0になるため、th1,th4がoffになります。
また電源の電圧、電流ともにマイナスになります。この向きは図のようになります。
電源電圧の向きからth2,th3が動作候補になりますが、サイリスタの信号がπ
+π/4のときに入るためサイリスタはoffのままです。
よって負荷に電圧、電流は0です。
(π+π/4)<θ<2πのとき
α=π+π/4のときにサイリスタにゲート信号がはいります。それによりth2、th3がonします。電流が回路の向きに流れるようになります。
以上より、0<θ<2πまでの負荷にかかる電圧、電流波形はこのようになります。
ゲートの信号を調節することで電流、電圧を制御することができます。
本日はここまでです、毎度ありがとうございます。